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Goodbye Yellow Brick Road / Elton John (1973) 

ポップミュージックの歴史において最も幸福だった時代は、実は1970年代初頭あたりなんじゃないかと言う気がしている。

当時、「てめえらの親をぶっ殺せ」みたいな無茶を言ってたキティちゃんたちは淘汰されちゃって、ロック革命の喧騒は意外に簡単に終わっちゃったんだけど、それでもそーゆー連中を育んだ「ロックンロール」の文法はポップ・ミュージックの土壌の中にきちんと根を下ろしつつあって、いわゆるポップソングのクォリティが飛躍的に上がったのがこの時代。
自分が厨房の頃(1970年代後半)には「ロック不毛の時代」と見なされて過小評価されてた(対照的に1960年代は「黄金時代」だった)けど、「ロック」的な見地からも意外と掘り出し物が多いんじゃないかという気はする。
共同幻想から内省へ、っつうのがこの時代を表すキータームで、フラワームーヴメントの挫折がロック革命の幻想を打ち砕き、フォークやカントリーをルーツに持つシンガーソングライターがブームになったということになってるけど、それを語るのが本稿の主眼ではないし、いったん箍が外れると2GBくらいの長文を書いちゃいそうなので、この辺で自粛。
むしろ、シンガーソングライターブームが一巡した後の「ロックミュージックの産業としての固定化」の方に70年代初頭のポップミュージックの面白さの真髄があるんじゃないかと思うのだ。

「ロック的なもの」が過度に「産業」として成立してしまったために、60年代的な「反体制」風味を薄れさせてしまったのは事実なんだろうけど、それを「堕落」したと捉えるような無邪気さってゆーか頭の悪さとは無縁でいたいと心底思う。

elton_john.jpg



てなわけで、Elton Johnである。

彼がポップミュージック史上類稀なソングライターであり、最良のメロディーメイカーの一人であることは、今日ではほぼ疑いようがない歴史的事実として確定している。それに疑義を挟むものがいるとしたら、単に無知なだけか、あるいは何らかの形で情緒が欠落しているかのいずれかであろう。
けれど、彼の活動の最盛期だった1970年代の初頭において、彼は必ずしも正当な評価を受けていたとは言い難かった。セールス的には成功していたものの、評論家からは酷評され、通ぶった極東の「洋楽」ロック・ファンからも馬鹿にされていたというのが正直なところだった。少なくとも自分が「洋楽」ロックを聴き始めた1977年の時点ではそうだった。
それは、端的に言うと彼が白木屋のポスターではなくキラキラのポップスターだったからなんだけど、更に言えばポップスターの分際でロックスターになりたがったからなんだろう。
そーゆーのを嫌がる偏狭さと言うのは理解できないわけでもないけれど、中学二年生くらいまでに治しておきたいものだ。
大概治らないんだけど。

いずれにせよ、良い意味でも悪い意味でも、Elton Johnがこの時期のロックの産業化を象徴する存在だったのは間違いない。



Elton Johnのベストソングを一曲を挙げるというのは、The Beatlesのベストソングを一曲挙げるのと同じくらい難しい設問で、意味のある回答ができる人間が存在するとも思えないのだが、個人的には敢えて挙げるなら"Goodbye Yellow Brick Road"ということにしている。
これはもう「面倒くさいからそーゆーことにしている」ということなんであって、"Goodbye Yellow Brick Road"が"Bennie and the Jets"や"Your Song"や"Honky Cat"よりも良い曲だと断定するつもりはない。ってゆーか、できないし。

この曲(邦題「黄昏のレンガ路」)は「ロックミュージシャン」としてのElton Johnの最高傑作とみなされている二枚組全17曲に及ぶ同名アルバムからの最初のシングルカット曲(ビルボードで2位止まり)だった曲で、日本ではマツダやJ-PHONEのCMソングとしても使われていた。
「オズの魔法使い」にインスパイヤされた、と歌詞を書いたBernie Taupin自身が語っているのだが、具体的にどうされたのかは理解不能である。
この時期のElton Johnにありがちな大仰で思わせぶりな歌詞と、完璧ではないものの妙に耳に残って離れないメロディーと、裏声を駆使したヴォーカル(+コーラス)と、Del Newmanのゴージャスなオーケストレーションが完璧なハーモニーを作り出している。
書いてしまうとたやすいが、恐らくもう二度と作れないだろうと思われるような奇跡的な名曲である(Elton Johnがすごいのはこのレベルの曲を複数書いているからなのだが)。


才能のある人間がその才能を充分に発揮できる環境下で金と手間隙をかけるととんでもないものができるというのが、このアルバムを最初に聴いたときの自分の感想だが、その時自分は既に悠に二十歳を過ぎていた。
ロックを聴き始めて、ほぼ10年が経っていた。

そのことを、自分は少しだけ恥ずべきことだと思い起こすのだ。



同タイトルのアルバム。
「プログレッシヴ・ロック史上に残る名盤」と言っても良いほどの先進性。




70年代初期の絶頂期のElton Johnの大ヒット曲ばかりを集めたベスト。
これ以上に完成度の高いベストアルバムは多分この世に存在しえない。

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