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The Lunatics (Have Taken Over The Asylum) / Fun Boy Three (1981) 

ABCのエントリ以降変なスイッチが入っちゃって、Rhinoの"New Wave Hits of the 80s"を全部引っ張り出して一気に聴いちゃうみたいな黄昏オヤジぶりを発揮している今日この頃。
80年代初期というと、自分は十代の終わり。青春まっしぐらですよ。
いやあ懐かしかった。

このシリーズって、70年代の一発屋さんを集めた有名な"HAVE A NICE DAY"の80年代ニューウェイヴ版的な位置付けだと思うんだけど、一日で全15巻通して完聴という苦行の末の感想としては、今聴くとプププみたいなどーにも何かの間違いとしか思えないようなものから、時代の徒花だと思っていたのに意外といけてんじゃんと思わず再評価しちまうようなものまで幅広く取り揃えてるのがRHINOっぽいといえる。
プププなものについてはSpandau BalletとかSpandau Bal(ryとかSpandau(ryとか一々固有名詞を挙げても意味ないのでよしとくけど、それにしてもSpand(ryのプププぶりは当時から際立っていたとは言え改めて聴くとものすごいものがある。音楽でここまで人を笑わせられるというのはある種の才能だ。

てな話をし始めると止まらなくなるので、この辺でやめといて、本題。

Fun Boy Three


意外とイケてると思った中の一つが、Terry Hallが率いてたFun Boy Three。
ポスト・パンクの一つの潮流となったスカブームの立役者The Specialの片割れでありながら、前身とは全く異なる、よく言えばバラエティに富んだ、悪く言えば焦点の定まらない音楽性が、Terry Hallの独特のパーソナリティと相俟って賛否両論を呼んだニューウェーヴ・ポップ・ユニット。
ニューロマやブリティッシュ・インヴェージョンが花開く前のイギリスのポップ・フィールドでそこそこの商業的成功を収め(6枚の全英Top20ヒットを輩出)、一部のスノッブな評論家(今野雄二とかw)からは高い評価も受けたけれど、全体としては地味な位置付けということになるのではないか。

Terry Hallというと、この後に結成したThe Colourfieldのファースト"Virgins & Philistines"は結構気に入ってたのだけど、Fun Boy ThreeはDavid Byrneがプロデュースしてたりして今野雄二銘柄だったのでバリバリのロキノン派だった自分としては評価しづらいところはあった。
じゃあ嫌いだったのかというとそうでもない。
自分の記憶が確かならアナログで2枚目のアルバムを持っていたはずである。
「はず」というあたりに自分のいい加減さが表れているが、少なくとも"Tunnels of Love"とか"Our Lips Are Sealed"を自宅のステレオで聴いていた記憶はあるので、何らかの形で音源を所有していたのは間違いない。
今野雄二が褒めてたのに自ら進んで聴いてたということは、本当は相当好きだったということなんだろう。
20余年の月日を経て、ようやくわかったよ。
てゆーか素直になっただけか。遅すぎるけど。


Amazonではオリジナルアルバムは全てsold outになってて落胆したのだが、HMVでチェックしたら2枚目の"Waiting"だけ生きてたので速攻ポチ買い。
3枚買うと15%引きで879円になるのでPaul Collins' BeatとThe Belle Starsのコンピレーションも合わせて買ったのは内緒だ。
どっちも結構いいじゃんと思ったのは更に誰にも言えない秘密。

"New Wave Hits of the 80s"のシリーズにはThe Lunatics (Have Taken Over the Asylum)(Vol.11)と"Our Lips Are Sealed"(Vol.12)が収録されている。
最大のヒット曲である"Tunnels of Love"が入ってないのがいかにもRHINO的。

"The Lunatics (Have Taken Over the Asylum)"は彼らのデビュー曲で、単調なエスニックビートに乗せた単調なマイナーメロディーで「基地外が精神病院を支配している」とほとんど名誉毀損並のサッチャー政権批判を歌うというなかなかにシュールな曲。
ひょっとするとAdam & the Antsあたりに影響を与えたニューロマの先駆的な見方をされてるのかもしれないけど、多分過大評価だと思う。
自分が今回聴き直して改めて惹かれたのは、このイカサマなエスニック・サウンドこそがTerry Hallらしさを象徴しているような気がしたからだ。The Colourfieldのひねたポップ・グルーヴの根っ子にはどーにも陰気なやる気のなさがあるということに改めて感じ入ったというべきか。

考えてみれば、ポスト・パンク・シーンの中で、エモーショナルでオールドファッションなバンドのフロントマンとして一世を風靡し、将来を嘱望されながらセカンド・キャリアで周囲の期待から背いて自らの趣味性を強く表に出した活動で批判を受けた、という見方で捉えると、Terry Hallの歩み(少なくともSpecials脱退後まで)はPaul Wellerのそれと類似すると言える。
実際、Terry HallはPaul Wellerのポジションを獲りたかったんじゃないかと思わないでもないし、Style CounsilとFun Boy Threeを比べたら、その当時の評価とは逆に、創造性という点ではFun Boy Threeの方に軍配が上がるのかもしれないと思ったりもするけれど、結局のところTerry Hallには真剣さが足りなかったんじゃないかと言う気がしてる。
Paul Wellerはシニックでありながらも、リヴァイヴァリストでありハイフライヤーでもあったけれど、Terry Hallは徹頭徹尾シニックであり続けたってことなんだろう。
比較的批評家からの受けも良かったThe Colourfieldでの活動にしても、そのクォリティの高さを評価する声はあっても、Terry Hallを次代のポップ・アイコンとみなすような声はほとんど聞かれなかった。
あのクォリティをそのまま受け取ればPaul WellerでもRoddy FlameでもGeorge Michaelでもなく彼こそが1980年代のポップミュージックをドライブしていく天才なのだと、勘違いする人間が多少はいても不思議ではなかっただろうに。
そういう評価を瞬時に拒否させるような、圧倒的な緩さといい加減さがTerry Hallにはある。
次代を切り拓き、時代を引き受ける覚悟などとは無縁の場所に、彼はいるのだろう。
だからこそ、長く活動を続けられているという面はあるに違いない。



完全な余談だが、"Fun Boy Three"でググると比較的上に出て来る音楽系のポータル、エキサイト・ミュージックでも、goo音楽でも「ファンボーイゼア」になってる。
gooに至っては英語表記まで"Fan Boy There"だ。
さすがにちょっとひどくない、これ?


New Wave Hits of the '80s Vol.11 New Wave Hits of the '80s Vol.12
RHINOの"New Wave Hits of the '80s"。
80年代ニューウェーヴポップを語る上で欠かすことができないコンピレーション。
無理して語る必要もないと言われたらそれまでだが。



Fun Boy Threeのファーストアルバム。
Amazon.comでなら買える。買わなくていいと思うけど。


Virgins & Philistines
2ndの"Waiting"。
デビュー当時から比べると割とフツーのソウル・ポップ方面に走りつつも、エスニック風味は残しつつ、スカっぽいノリも復活させたりして、ちょっと風変わりなサイケ・ソウル・ポップみたいな感じに纏めてるんだけど、よく聴くと次のThe Colourfieldで花開くアコースティック・ポップ路線の片鱗が垣間見えたりして興味深い(やや強引)


Virgins & Philistines
The Colourfieldの1st "Virgins & Philistines"。
"Thinkin' of You" "Can't Get Enough of You Baby" "Take" "Castles in the Air"と80年代ギターポップを代表する名曲が満載(大嘘)。
何故廃盤なのか、理解に苦しむ。



Virgins & Philistines
Terry Hall名義での初ソロ。
The Lightning Seeds、Echo & the Bunnymen、The Bluebellsのメンバーがバックを固め、Andy Partridge、Nick Heyward、Damon Albarnが曲を共作した、ニューウェーヴ・ポップ・オールスターズみたいな作品。
割と最近だと思ってたらもう10年以上も前だった(1995年)。
これもsold out。Terry Hall復古主義者にはかなりアゲンストな感じ。
とりあえずTerry Hallの音楽活動を振り返るならこれなんか結構いいんじゃないか。


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Puttin' On the Ritz / Taco (1983) 

今回はAC/DCについて書く予定でしたが、このペースでいくと一生かかってもZZ TopやFrank Zappaについて書けなくなってしまうので、アルファベット順はやめにします。
すいません。



前エントリで80年代のMTV系一発屋のビデオクリップを漁ってて面白いものを発見したので紹介しときます。

曲はTacoの"Puttin' On the Ritz(踊るリッツの夜)"。
オリジナルは1929年にリリースされたFred Astaireの曲ですが、彼は1946年の映画「ブルースカイ」の中でこの曲に合わせて見事なダンスを披露しています(曲は口パクだと思いますが)。

その映像がこちら。


(たぶん著作権切れなので大丈夫)


曲をTacoバージョンに変え、Fred Astaireがそれに合わせて踊っているかのようにリメイクしたのがこちら。


(著作権的にはかなりヤバい)

すげーっす。
ホント、うまくできてます。
まるでFred Astaire本人が歌ってるみたいですな。


これだけじゃアレなので、蛇足ですが、曲について補足しときます。

この曲は、"White Christmas"や"There's No Business Like Show Business"などで知られる戦前のティンパンアリーを代表する名作曲家Irving Berlinが1929年に書いた曲。
Fred Astaireのバージョン以外にもHarry Richmanという人が歌ったバージョンもかなりポピュラーで、1930年に彼の主演でこの曲を主題にした映画も作られたようですが、演技力が足りなかったために逆効果となりその後は泣かず飛ばずとなってしまったとのこと。→"Puttin' on the Ritz - Wikipedia"参照

カバーバージョンをヒットさせたTacoは本名Taco Ockerse。オランダ人の両親の間にインドネシアで生まれた西ドイツ国籍のアーティストで、このTacoバージョンはビルボードで4位まで上がるヒットとなりました。
これ以降彼の曲でビルボード100にチャートインした曲はありません。
かなり由緒正しい一発屋です。
一つ前のエントリにも書きましたが、プロモーションで日本に来た時、テレビ番組(「笑っていいとも」という説多し)で蛸を食べさせられてたというエピソードは結構有名。てゆーか、それ以外あまり語ることが無かったりします。
このカバー・バージョンはチープだけど、怪しげな無機質性をうまく演出していて悪くない出来だと思うんで、この曲がここまで売れちゃって色物視されたことが却って徒になってしまったような気はします。
それがどれだけの損失を音楽シーンにもたらしたかというと極微小ではあろうかとは思いますが。

The Look of Love / ABC (1982) 

予告しちゃったんでエントリ上げます。

が、冷静に考えてABCについて特段主張すべきことがあるとも思えないので、YouTubeから当時を偲ばせるニューロマ/MTV系一発屋さんたちのビデオクリップを集めて来てお茶を濁すこととしましょう。

あ、ちなみにアメリカにおけるABCの最大のヒット曲は"When Smokey Sings"だということは意外と知られていないので、注意が必要です(っつうことで、ABCは一発屋じゃないよ)。


The Look Of Love / ABC

♪ABC、ABC、ああ、E気持ち~(違)

Safety Dance / Men Without Hats

完全なコミックソングノリですが、意外とはまります。

Puttin' on the Ritz / Taco

フレッド・アステアのカバー。
歌ってるタコさんは「笑っていいとも」に出てタコ食わされてました。

The Riddle / Nik Kershaw

タイトルはなぞなぞ。ビデオクリップはわけがわからん。

Jenny (867-5309) / Tommy Tutone

アメリカの一発屋さん。当時、全米各地のこの電話番号の家は災難だったそうで。

Rock Me Amadeus / Falco

オーストリアの一発屋さん。映画「アマデウス」への便乗企画。

99 Luftballons / Nena

Neunundneunzig Luftballons, auf ihrem Weg zum Horizont...
ドイツ語の勉強にうってつけでした。

Mickey / Toni Basil

ゴリエのカバーでおなじみ。
歌ってるトニーさんはこの当時既に三十路後半でした。怖いです。

One Night in Bangkok / Murray Head

ABBAの男性二人、BjornとBennyが書いたミュージカル「チェス」の挿入歌。
カッちょいい。

Open Your Eyes / Lords Of The New Church

ポストパンクのスーパーバンド!

Fade to Grey / Visage

パンク/ニューウェイヴ・シーンの寄生虫たるSteve Strangeのプロジェクトで、ニューロマのオリジネイター(嘘)。
Ultravoxはここから生まれました(やや真)。

Never Ending Story / Limahl

LimahlはKajagoogooで"Too Shy"、ソロでこの曲と2曲の一発屋体験を持つ稀有なアーティスト。
いうなれば、バンバンで「いちご白書をもう一度」、ソロで「SACHIKO」のヒットを飛ばしたばんばひろふみのような存在ですね。


次はAC/DCか?

Ways To Be Wicked / Lone Justice (1985) 

「ストリート・オブ・ファイヤー」繋がりでもう一曲。

mariamckee1.jpg


劇中でMichael Pare演じる主人公がDiane Lane演じる昔の恋人を思い起こすシーンで流れていたのが、Maria McKeeの"Never Be You"。
と言ってもサビの部分がほんの十数秒程度流れるだけなので、劇中で使われているオリジナル曲の中では最も扱いが低い曲と言っても良いかもしれない。

この曲を歌っていたMaria McKeeは当時は全くの新人で、翌年、Lone Justiceというバンドでメジャーデビューすることになる。
"Never Be You"はTom PettyとBenmont Tenchのペンになる曲で、ミディアムテンポの正統派アメリカン・ロック・チューンだったが、お披露目の場としてはそれほど目立つ舞台が用意されていたわけではなかった。
この時点では実は自分の記憶にはMaria McKeeという名前はインプットされていなかったと思う。

lonejustice.jpg


翌年のメジャー・デビューは、しかし、一転派手なものとなった。
当時はまだ大物揃いのプレミアム・レーベルっぽいイメージがあったGeffenレコードからの新人のデビューは非常に珍しかったため、それだけで「破格の大物新人」というイメージで捉えられていた。
ヴォーカルのMaria McKeeは若干21歳、可憐な美少女然とした面立ちながら、一聴するだけでその歌唱力が只者ではないことは窺い知れた。
折りしもR.E.M.やReplacementsやHusker Duなど、アメリカン・インディーズ・バンドが注目を集め始めていて、アメリカの新人バンドへの注目度が非常に高かった時期で、しかもローリング・ストーン誌が大絶賛したということもあって、音楽誌のレビュー等でも概ね評判が良く、アイドル的素養すら感じさせるMaria McKeeの美少女ルックスと相俟って、一大センセーションを起こすのではないかと感じた自分は、先物買いのつもりでデビュー盤を購入したのだった。

が、自分や、恐らくは業界の期待に反して、彼らは全くと言っていいほど売れなかった。

曲の出来も良く、歌唱力、演奏力ともに際立った力があり、フロントパーソンのルックスも良く、プロモーションもそれなりの規模でやっていた。
何が足りなかったのかはわからないが、どうやら、この手のサウンドとしてはカントリー・チャートで全く反応がなかったのが敗因だったようだ(当時はオルターナティブ・ロック・チャートなんてなかったし)。
考えてみれば、当時のGeffenは評価の定まった大物アーティストを巨額の契約金でヘッドハントして来てレコードを売っていただけで、新人の売り出しなんてほとんどやったことがなかったので、新人プロモーションのノウハウがなかったのだろう。



"Ways To Be Wicked(邦題「さまよえる恋」)"はこのデビューアルバムからのファーストシングル。Tom PettyとMike Campbell (Heartbreakers)の共作だが、Lone Justiceのために書いた曲ではなく、Tom Petty & the Heartbreakersのアルバム("Southern Accents"あたりか?)の捨て曲だったようだ。男女どちらにでも使える曲ではあるけど、ややフェミニンなイメージが強いのでカットされたのだろうか。
プロデューサーのJimmy Iovineとしては、あるいはStevie Nicksに歌わせるという選択もあったかと思うが、こういうストレートな正統派のロック・ナンバーは歌唱力に優れるMaria McKeeに歌わせた方が映えるという判断だったのかもしれない。とまで言い切っちゃうと単なる妄想だけど。

結局Lone Justiceは商業的な成功とは無縁なまま、わずか2枚のアルバムを残しただけで解散。Maria McKeeはバンド解散直後からソロ・アーティストとしてのキャリアをスタートさせ、今尚、現役で活躍しているが、ほぼ一貫して商業的成功には恵まれていない。
映画"Days of Thunder"に使われた"Show Me Heaven"が全英No.1になったのが唯一の商業的な収穫だが、それは彼女の才能とデビュー時の期待からするとほとんど無に等しい実績でしかない。

近年のMaria McKeeは自主制作のインディーズレーベルから、ゆったりとしたリリースサイクルで作品をリリースしているが、その活動はアコースティックなサウンドでR&Bやフォークソングを歌うようなスタイルに変わっている。
好きな曲を好きなスタイルで好きな時に歌う、というような趣だろうか。

Maria McKeeという稀代の女性ヴォーカリストが、コンテンポラリーなロック・シーンからはほぼリタイヤした状態にあることは残念だというしかないが、彼女にSherryl Crowのような活動を期待するのはファンの勝手な妄想でしかないということも、自分は理解しているつもりだ。



残念ながら"Ways To Be Wicked"が収録されているファーストアルバム(左)はAmazon.co.jpではsold out。
カタログにあるのは右のセカンド・アルバム"Shelter"のみ。



ソロ・アルバムも、デビュー盤(左)はsold out。
右はLone Justice時代からソロの初期の曲を集めたベストアルバム。ソロ唯一のヒット曲"Show Me Heaven"が収録されているのはこれだけ。

Tonight Is What It Means To Be Young (from The Motion Picture "The Streets of Fire") / Fire Inc. (1984) 

銀座ジュエリーマキ


先日ものすごく久しぶりに"Streets of Fire"(邦題「ストリート・オブ・ファイヤー」)が観たくてたまらなくなり、うちにあるLDを引っ張り出して来たのだが、もはやLDの繋ぎ方がよくわからなくなってしまってたので、Amazonで980円で売ってたDVDを購入してしまった。
てゆーか、GEOでビデオ借りようと思ったら、置いてなかったんだよね。意外と使えねーな、GEO。だいたいあんなに大量にハリポタの最新刊を置くこともないだろうと思うんだけど、結構貸し出し中だったりして、お前らそんなにハリポタ好きかと小一時間(ry。
まあ、980円なら3回見れば元取れるわけで、あと死ぬまでに3回くらいは見るだろうから、買っちゃった方がお得と言えなくもない。と、自分を納得させるが、LD、勿体ないよなあ。5回くらいは観たからいいか。


っつうことで、ほぼ10年ぶりくらいに観たんだけど、やっぱいいわ、これ。

街のヤンキー連中に意味もなく拉致された女性ロックシンガーを、何年ぶりかに地元に舞い戻ってきた風来坊の元カレが救出に行く、というベタベタなプロットだけでもお腹いっぱいなのに、最後は無意味に素手でのタイマン勝負で決着をつけちゃうというオチで脱力感30倍。

何っつうっても副題が"Rock & Roll Fable"(ロックンロールの御伽噺)なんで、意図的に頭の悪さを演出してみました、って、お前ロックンロールを舐めてるだろ、とWalter Hillを詰問したい気分になるけど、面白いので許そう。

主役のMichael Pareは吉田栄作みたいだし、敵対する悪役のWillem DafoeはB21スペシャル時代のヒロミみたいだ。このメインキャラ二人の並びだけでご飯三杯は堅い。
後に"Fields of Dreams"で60sヒッピー崩れ風のウーマンズ・リヴ主婦を好演するAmy Madiganがここでも「戦う女」を演じていい味を出してるが、主役と悪役の二人があまりに濃いので、やや浮いてしまってるのが残念。

てなわけで、映画の内容的には確かにアレなんだけど、「ロック・ミュージカル」として観るとかなりイケてる部類に入る。
この当時は"Flash Dance"とか"Footloose"なんかが流行ったせいで、二流どころの中堅アーティストの曲を映画とのタイアップで売り出すのが常套手段になってたんだけど、そーゆー映画のプロモーションのための曲で一儲け、みたいな下世話な試みとは、あくまで音楽がベースになって映画ができてるという点で一味違っている。
「映画音楽」のスコアを書いてるのがRy Cooder、主要曲を書いてるのがJim Steinmanで、music supervisorとしてJimmy Iovineの名前もクレジットされてる。Ry Cooder、Jimmy Iovine、Jim Steinmanという組合せは地味に見えるけど、その実メチャクチャゴージャス。この当時としてはある意味ドリームチームだよな、これは。

映画の中で使われているオリジナル曲10曲は何れ劣らぬ佳曲揃いだが、特に印象深いのはラストシーンで使われている"Tonight Is What It Means To Be Young(邦題「今夜は青春」)"だろう。
当時プロデューサー、ライターとして絶頂期にあったJim Steinmanのペンによる曲で、劇中では最後のシーンで晴れてステージに復帰したDiane Laneが熱唱する中Michael Pareが一人街を去り、エンディング・ロールに突入するという演出になっている。
もちろんDiane Laneは口パクで、実際に歌ってるのはHolly Sherwoodという人。演奏者のクレジットとしてはFire Incという架空のバンドだそうだが、この面子がほぼそのまま後のPandora's Boxへと繋がっていく。バックにはいつものようにRoy BittanとかLarry Fastあたりがいるようだけど、正規のクレジットはない。この時期のJim Steinman関連の作品では必ずバックアップを務めていた盟友Kasim Sultanの名前がないのは契約の関係だろうか。
映画の実際の主題歌はBillboardのトップ10ヒットになった"I Can Dream about You(「あなたを夢見て)"なのだが、映画の中の序列的に言うとこの"Tonight Is What It Means To Be Young"が主題歌的な位置づけになってる。

いろんなところで邦題がダサいとか書かれてるんだけど、実は訳としては意外と原題そのまんまだったりする。
原題を直訳すると「今夜は若いということの意味」で、ちょっと日本語としては通りにくいけど、要するに「今夜は若さの意味が何か確認しようぜ」くらいの意味じゃないか。
っつうことは「今夜は青春」でも訳としてはおかしくはなくて、邦題がダサいんじゃなくって原題がダサいってことである。
日本語訳のせいじゃなくって残念。


歌詞の内容もかなりキテる。

I've got a dream 'bout an angel on the beach
And the perfect waves are starting to come
His hair is flying out in ribbons of gold
And his touch has got the power to stun

I've got a dream 'bout an angel in the forest
Enchanted by the edge of a lake
His body's flowing in the jewels alive
And the earth below is starting to shake

But I don't see any angels in the city
I don't hear any holy choirs sing
And if I can't get an angel
I can still get a boy
And a boy'd be the next best thing
The next best thing to an angel
A boy'd be the next best thing

浜辺の天使の夢を見た
完璧な波がやって来ようとしている
その髪は金のリボンの中を飛び回り
触れるものを動けなくしてしまう力を秘める

森の天使の夢を見た
湖のほとりに魅せられて
その身体は生きている宝石の中を流れ出し
その下の大地は震え始める

だけど、街では天使を見ない
聖歌隊の歌も聴こえない
天使は手に入れられなくても
男の子なら手に入れられる
男の子は2番目に大切なもの
天使の次に大切なもの
男の子は2番目


とんでもないボーイズ・ラブですね(違)

この歌詞を読んだ上でタイトルを見直すと、「今夜は青春」というよりは「今夜はピチピチの若い子」って感じがしないでもない(爆)

この歌詞をDiane Laneが恍惚の表情でシャウトするわけだから、考えてみるとゾクゾクもんではある。

ただ、自分はDiane Laneを見ると反射的に♪Darling, leave a light on for me♪(銀座ジュエリーマキ)と歌ってしまう80年代深夜番組ヲタなので、彼女が歌うシーンはどーしてもBelinda Carlisleと被ってしまってどーにも妙な感じ。
余談だが、自分の中ではBelinda CarlisleとDiane Laneって同系統だったりする。
ま、白人のねーちゃんなんてみんな同じ顔に見える、というと身も蓋もないけど。

DianeLane2.jpgbelinda_carlisle.jpg
似て…ねえか。
とりあえず一番痩せてる時期でもこれなので乳のボリュームはBelinda Carlisleの圧勝>結局そこかよ(爆)。


ちなみにこの曲、日本では椎名恵という人がカバーして、「今夜はエンジェル」というタイトルでヒットさせてる。
大映ドラマ「ヤヌスの鏡」の主題歌だが、大映ドラマと言ってもフジテレビ系なので、王道じゃないというか、伊藤かずえも松村雄基も出てない大映ドラマに意味があるのかという根源的な疑問が投げかけられてしまうようなビミョーな存在。
更に言えば、主演の杉浦幸のルックスがかなりヤバいです(余計なお世話だよ)。


たぶん「夜ヒット」の映像。フルコーラス歌ってます。
長渕剛じゃないんだから自粛しろよ(意味不明)。
麻倉未稀と二人でこの時期の大映ドラマの主題歌(洋楽のカバーバージョン限定)の大半を歌ってますが、麻倉未稀の方が「スクール☆ウォーズ」とか「乳姉妹」のような主題歌にインパクトがあるケースが多くて、こちらはやや存在感が薄いのが可哀想です。



映画のサントラ盤。
Jimmy Iovine繋がりでStevie NicksやTom Pettyも曲を提供、バックバンドで参加してます。
外に出てるクレジットだけ見ると地味だけど、中身は超豪華。



本文では触れませんでしたが、"Streets of Fire"というタイトルはもちろんこのアルバムに入ってる曲が元になってます。
で、当然最初はBruce Springsteenも参加する予定だったけど、いろいろ大人な事情があったようで、不参加。
代わりにE Street Bandのメンバーが参加。
と言ってもこの人たち、あんまり仕事を選ばないようなんで希少価値はないですが。

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